2017-03-21

【学校不要論】頭いい人にとって義務教育はいらないという真実

高偏差値生のほとんどが寝たり内職しているのはなぜか

学校にいませんでしたか。



学校の授業はほとんど寝ていたり、内職しているのに、
めっちゃくちゃよい大学に受かる友達。

先日読んでいた、『「学級崩壊」でも東大に6割 スノッブな筑駒生 』という記事にはこのように書いてありました。
筑駒は東大進学率が高いのですが、授業では受験対策を一切やりません。だいたい、どの先生も、学習指導要領を全然守らない。教科書は一応、机の上に置いてあるのですが、一度も教科書を開かずに学期が終わるという授業もありました。例えば、日本史の授業は、担当の先生が「大津事件」の研究者で、毎回授業で話すことといえば、大津事件のことばかり。そのまま1学期が終了しました。

 生徒も、途中から学校に来なくなる人もいます。先生もいちいち出欠をとらないので、問題は起きません。授業に出ている生徒も、前列に座っている人は真面目に聞いていますが、だいたい7~8割の生徒は内職していました。難しい数学の問題を解いている生徒もいれば、将棋の棋譜を研究している生徒もいる。音楽の話をしている生徒もいれば、勝手に弁当を食べている生徒もいる。ほとんど、学級崩壊です。(出世ナビ

大学4年間、教育界隈の仕事や専攻で、教育にかかわるいろんな人(小学生から高校生、塾講師、教師、edtech企業)を見てきて、ある一つの、当たり前な共通点を見出しました。

優秀な生徒ほど、自分の頭で考えるから、学校から課された勉強をさぼってやるべきことを自分でやることが多いということです。

なぜ優秀な生徒ほど、高校の勉強をさぼるのか、見ていきましょう。


目次


  • 韓国では、勉強の内容を塾で習うから、学校授業さぼり社会問題になっている
  • トルコでも学校不要論が進行中:うその医療診断書を出してさぼる学生たち
  • 日本で、学校の授業を内職したりしてしまう人の特徴はなんなんだろう。調査してみた
    • 塾は学校にどんな影響を与えているの?学校の授業をさぼる人は?
    • 一般入試の生徒のほとんどが、授業中内職をしていたり寝ていた
    • 偏差値が高くなるほど、学校の授業をさぼるという真実
  • もともと優秀な生徒を寄せ集めてるだけなら、学校は何もしてないしいらない

韓国では、勉強の内容を塾で習うから、学校の授業をさぼり社会問題になっている

実は、大学受験があるほかの国々(とりわけ東アジア)では、日本と同じような現象が起こっています。

教育社会学(Sociology Of Education)では、影の教育(Shadow Education,もしくはPrivate Supplemental Tuition)という、いわゆる「塾」に関係する学問領域があります。

そして、この分野でよく議論されるのが、影の教育(以降塾)が学校教育にどのような影響を与えているのかという議論です。学校をダメにしてるのかどうかとか、そんなことが議論されていたりします。

例えばお隣の韓国。


日本以上に受験競争が激しい韓国では、もはや国が受験や塾を規制し始めたりするケースが出るほど、塾産業が学校教育に密接につながっています。あるニュースによると、国が先取り学習を禁止しようとしているそうです。

【ソウル聯合ニュース】韓国国会の教育文化体育観光委員会は18日の全体会議で、公教育で学ぶ内容をあらかじめ学習塾などが教える、いわゆる「先行学習」などを禁止する「公教育正常化促進・先行教育規制特別法」を通過させた。・・・同特別法は学習塾などの私教育が非正常的に広がることにより、公教育に弊害が生じ、さらに私教育に家計を割くという悪循環を解決するためのもので、大統領選挙で朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が掲げた公約でもある。・・・同委員会関係者は「習ってもいない内容を試験に出し、塾で習ったと仮定して授業を進めるなどの非正常的な学校教育や、教科過程を逸脱した入試出題により、私教育に対する依存が高まり、公教育が崩壊している」と指摘。(過度な私教育規制する特別法 国会委通過=韓国

なぜこんな議論になっているのでしょうか。

実は、通塾している生徒は学校の勉強をおろそかにするという、社会問題が起きているからです。ある研究者の方は以下のように言っています。
生徒は塾のほうが大学受験に直結していると思い、塾の授業に力をいれます。塾の授業では学校の先取り(Learning by Advance)をしてとてもヘビーです。なので学校の授業中に生徒は騒いだり、寝たり、塾の内職をしていることが多いです。最悪の場合だと、学校の先生も生徒が塾で先取りしていることを知っているので、授業をしなくなってしまうこともあります。

トルコでも学校不要論が進行中:うその医療診断書を出してさぼる学生たち

このようなことは韓国だけではなく、はるかかなたのトルコでも起こっています。

あるトルコの研究によると、中学生の55%が、高校生では49%が受験勉強のために学校を欠席したいため、偽の医療診断書(medical report)を発行したというデータもあります。

アゼルバイジャンでは、受験期になると多くの生徒が授業をさぼってしまうため、教室が空になってしまうことも多いそうです。

世界には、一回の受験で人生が決まってしまう国々が多くあります。
ここ日本もそうです。

そしてある程度優秀な人は、この受験戦争のゲームのルール、つまり「受験には学校外のカリキュラムが入っていて、かつ学校の授業だけでは足りない」というルールがわかっているのです。どうにか受験で勝ち残りたいと思うので、最も効率よくそれを行うには、学校の授業をさぼって自分にあった勉強をするということが行われているみたいです。海外ではもうそれが当たり前になっていて、塾に通うのが当たり前、学校サボるのが当たり前みたいになっているのです。

日本ではいまだに、「学校の勉強をちゃんとやっていれば難関大学に受かる」という神話が残っています。ところが、僕が入学した大学の人を見ていても、早稲田慶応の友人を見ていても、一般入試で受けていて学校の勉強だけ一生懸命やって受かったという人はあんまり見たことがありません。

日本で、学校の授業を内職したりしてしまう人の特徴はなんなんだろう


ところで日本の研究はどうなんでしょうか。
実は、日本で塾に関する研究は、教育格差の文脈で語られることが多いのですが、じゃあ塾が学校にどういう影響を与えているかについては、実はあまり研究されていません。ということで、僕は「塾が学校に与える影響について」を卒論で書きました。


塾は学校にどんな影響を与えているの?学校の授業をさぼる人は?

問いとしては以下二点を調べました。

・塾が学校に影響を与えているのか
・どのような生徒が学校の授業から遠ざかっていくのか


仮説としては以下二点を挙げました。

・「塾の教育に対して、満足度が高いほど、生徒の学校での授業に対する取り組みが適当になる」
・「高偏差値の生徒ほど、学校の授業が適当になる」


ただし、日本というコンテクストで考えると、教育熱が過熱しているエリア(都心部)と、地方のエリアだと、塾産業の規模が全然違い学校授業の優先順位が異なると思うので、地方と都市部(人口10万人以上のエリア)を分ける地理的変数を入れました。
また、一般入試か推薦かによっても取り組みが変わると思うので(学校成績が必要になるから)入試形態も変数に追加しました。

調査方法


突っ込みどころたくさんあると思いますが

・国際基督教大学(ICU)の生徒、OBOG 264人(ICUの在籍者数の11%)からサンプリング
・日本で教育を受けた人のみを有効回答票として扱った

です。
ちなみにICUのことをよくご存じでない方に向けて説明すると

河合塾によれば、国際基督教大学の予想入試難易度による偏差値は62.5。
私立の総合・環境・情報・人間学系の偏差値では、ICUより上の大学は慶應の総合政策、環境情報学部、早稲田の文化構想学部の3科目受験、人間科学学部の人間環境科学のA入試と、人間情報科学のA入試の5つのみとなっており、私立の最上位学校として位置付けても良い位置になっている。(navarまとめ)
らしいです。 

ICU生のほとんどが首都圏出身だった

どんなデータだったかを先に書きますね。まずは地理的特徴から。
出身高校東京出身おおすぎてワロタ。
46%が東京都出身でした(;´・ω・)多様性もくそもないな。



 やっぱりシティーボーイ(ガール)が多いというか、首都圏の人多いっすね。
千葉、埼玉、神奈川、京都、大阪、兵庫、福岡が多いっすね。


 出身高校所在地の人口ですが、めっちゃ都市部が多い。(高校自体普通に都市部にあることが多いからかもしれませんが)


出身高校の偏差値は70代に集中。

一般入試の生徒のほとんどが、授業中内職をしていたり寝ていた

一般入試で入学したICU生の66% が、授業中よく内職していたようです。
推薦入試では40%がよく内職していたと答えました。


一般入試の生徒の54%が「授業中よく寝ていた」と回答しました。一方で、推薦入試の場合だと、37%ですね。

こうみると、ICUみたいな偏差値高めの大学に入学している人は、ほとんど授業中適当なことしてたみたいですね。

続いて相関係数に関して。ちょっと下の図だとわかりにくい(+統計について詳しくない人でもわかるように)簡単にまとめると

・塾の先生のほうがよい(生徒にとって協力的だ、交流してくれる、知識がある、面白い)と思っているほど、生徒は内職をしやすくなる
・塾での学習に時間をかければかけるほど、学校での授業に総合的に取り組まなくなる
・一般入試群ほど学校の授業に取り組みにくくなる

ということが分かりました。



偏差値が高くなるほど、学校の授業をさぼるという真実


また、重回帰分析の結果、

・偏差値が高くなればなるほど、学校での内職率が高まる
・男性のほうが学校での内職率が高まる
・私立のほうが学校での内職率が高まる

という結果になりました。

学校で育てるというより、もともと優秀な生徒を寄せ集めてるだけなのでは。

高偏差値の一般入試生なら、学校は必要ないのではないでしょうか。

様々な研究から考えると、最初から勝手に進学実績を出してくれる優秀な生徒集めてきて、先生は特に干渉しないで、塾に任せておくっていうのが学校運営で一番効率的なのかと思います。

そういう戦略で大手塾講はやってます。

実際某熱血○○田アカデミー、SAPI○、河合塾では、オープンにするなと口封じされましたが、裏では私立高校に塾の模試送って成績がよいと確約をくれるという制度があります。(東京都だと格差助長になるので公平性の観点から禁止されていますが塾は普通にやってます)
私立も受験とかいいから、もともと塾行かせられるような金あって学力ある生徒を入学させるために塾と結託してるみたいですね。
先日、河合塾が昨年秋の中学3年生保護者向けの説明会で、「模試の成績で入試が優遇される制度」を説明していたことが明らかになりました。文部科学省は平成5年の都道府県向けの通知で、業者テストを高校入試で利用しないように求めており、これが事実とすればこの通知に反する恐れがあります。(河合塾が「模試の成績で入試が優遇される制度」を説明

東○ハイスクールでは、大学進学実績出すために、無料で優秀な生徒に授業や模試を受けさせて、一応うちの授業を受けたということで、合格実績に水増ししているというのも聞いたことがあります。

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