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公開日 : 2016-12-14

【教育格差】データで見たら、人生は想像以上にただの課金ゲーだった話

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教育格差の再生産:人生は想像以上にただの課金ゲーだった話




このブログでは、今まで様々な教育データを分析して、地域格差、教員格差、通塾格差、学校間格差、大学格差を見てきました。そして、たった一つの真実に気づいてしまったのです。


人生はただの課金ゲーであり、そしてほとんどの人が課金ゲーだと知らない不平等なクソゲーだということを。

目次


  • 平等というベールにつつまれた格差社会・日本
  • 生まれた地域で人生の難易度が決まる
    • 家賃相場と私立中学校進学率
    • 私立中学校進学率といじめの発生率
    • 私立中学校進学率とSAPIXの数
  • 地域環境がなくとも受験させて金をぶち込めば学習環境は買える
    • 私立国立小学校の生徒の一日当たりの勉強時間は、公立より圧倒的に多い
    • 私立国立小学校の生徒の一日当たりの読書時間は、公立より圧倒的に多い
    • 私立国立小学校の生徒の一日当たりの新聞を読む頻度は、公立より圧倒的に多い
    • 私立国立小学校には、院卒・教員養成大学出身の先生が多い
    • 私立国立小学校は、発展的な授業が多い
    • 私立国立小学校は、学力が高い
    • 私立国立小学校は、先生が授業をやりやすい
    • 私立国立小学校の親は、圧倒的に教育投資をする
    • 受験という課金で、レア教師、課金された友達、親を手に入れられる
  • 一流大学に入る確率が高いのは、私立中学校受験組
  • 一流大学に入る親も、教育投資されていた
  • 教育は課金しててもばれないどころか、勝手に遺伝だと思ってくれる
  • 学力は遺伝より環境が大きいと証明した研究もある
  • 裕福な親が、貧乏の親よりも教育投資をする、たった一つの理由
    • 教育の問題は、自分の教育経験を一般化しようとすること
    • 受け入れたくない、子供の教育は課金ゲーだという不都合な真実




平等というベールに包まれた格差社会・日本

Japanese kids in the rain


「いやー、普通に海外と比べると格差少なくない?」


確かに、世界で比較すると、比較的格差は少ないです。海外だと、人種や宗教、言語、民族によって教育格差があります。一方日本は一応単一国家、単一言語、単一民族、無宗教なので、日本人の中だけでは、格差はあまり見えません。


しかも学校も平等主義をもとに作られていて、ちゃんとどの都道府県、市区町村でも公立学校なら同じカリキュラムでやってるから、見た目はみんな同じ教育を受けているんです。みーんな同じ勉強の機会が与えられているから、格差がなく、平等なように見えるんです。

生まれた地域で人生の難易度が決まる:家賃相場と私立中学校進学率



ところがなんですけど、実際そんなことないんですよね。みんな同じなように見えるから、格差が見えにくくなっているだけなんです。


まず、どこで生まれたかで教育環境がぜんぜん違います。前回調べたのですが、家賃相場と私立中学校進学率の比較です。


家賃相場が高いほど=高収入エリアほど、私立中学校に行くんですよ。もちろん同じく国立もそうです。つまり、エリアによって友達がどれだけ勉強にうちこんでいるか違うわけです。お友達がみんな勉強しているのに触発されて、相乗的に賢くなるかもしれません。







生まれた地域で人生の難易度が決まる:私立中学校進学率といじめの発生率



他にも以前調査した東京都市区町村のいじめ発生率と、家賃相場の比較なんですけど、家賃相場が高いほどですね、いじめの発生率が低いわけなんです。




これって要は高収入エリアに住めばそれだけ小学校でいじめ起きる可能性低いってことなんですよね。金がある家で生まれれば、いじめと遭遇する確率が低いわけです。もうこの時点で人生の難易度が違う。住む場所に金を払えば、レベルアップしやすい環境が手に入る。
なんて課金ゲーなんでしょう。


生まれた地域で人生の難易度が決まる:私立中学校進学率とSAPIXの数



さらに子どもに「受験したい」と言われたらに行くじゃないですか。当たり前ですけど需要があるとこには供給ありです。



大手中学受験進学塾SAPIX小学部の教室数と、私立中学校進学率を東京都の市区町村別で比較したデータなのですが、私立中学校進学率が高いエリアに進学塾があるわけです。くもんとかも同じように進学期待が高いエリアにたくさんあります。(ちなみに一番上のほうにあるのは世田谷区です。)



つまり

生まれたエリアの所得層によって、お友達がいじめっ子になる確率も、切磋琢磨しあえるお友達にあえる確率も、進学塾の有無も変わってしまうわけです。

かたやいじめが多くて、ぜんぜん勉強しないエリアもあれば、いじめが少なく、みんな一生懸命勉強して、多くの子供が進学塾に行くエリアもあるわけです。

そしてそういう優等生が多いエリアに住むためには金が必要なわけです。圧倒的地域格差です!まさに外道!




そうです、課金ゲーなのです。


地域環境がなくとも受験させて金をぶち込めば学習環境は買える



それだけではありません。
さっきみたいに高収入エリアで地域資本を高めなくても、よい教育環境を整えることができます。

どうすればいいでしょうか。



そうです、地域からの脱獄、受験です!

「あの小学校、中学校ガラス割れているから受験する!」
そんな経験がある方もいらっしゃると思います。
私立、国立小学校受験、中学校受験をさせて課金して子供をぶち込んでドーピングするのです。



さて、晴れて脱獄してエリート私立、国立小学校、中学校に入れるとどんなことになるでしょうか。



まず、お友達のレベルがチート状態になります。

以前私立国立小学校の生徒の比較を行いました。


私立国立小学校の生徒の一日当たりの勉強時間は、公立より圧倒的に多い


私立、国立小学校だと、2-3時間平日勉強とか当たり前です。課金されたお友達の学習時間が伸びます。




私立国立小学校の生徒の一日当たりの読書時間は、公立より圧倒的に多い

しかも読書も好きです。





私立国立小学校の生徒の一日当たりの新聞を読む頻度は、公立より圧倒的に多い


さらに、電車で新聞とか読み始めます。





さらにお勉強に打ち込んでいる分、ゲームのプレイ時間も減ります。




私立国立小学校には、院卒・教員養成大学出身の先生が多い



生徒だけではありません。
私立、国立小学校、中学校には教員訓練を長く受けたゴリゴリした激レア教員養成系・院卒教員が比較的多くやってきます以前、小学校教員について調査しましたが、まず、大学院卒レア先生が増えます



しかも、院卒の教員養成大学の先生も多いです。


私立国立小学校は、発展的な授業が多い


さらに、ゴリゴリな先生がいることに加えて、私立、国立は基礎学力+アルファカリキュラムになります。

単なる暗記以上の文章を書かせる能力をあげる授業などが増えます。


私立国立小学校は、学力が高い


おまけに、私立国立小学生は比較的みんな学力が高いです。


平成27年度の全国学力調査で一番差が付きやすい算数Bで見てみましょう。
点数の分布を下のヒストグラムが表しています。


公立は点数が左に偏ってるんですけど、点数が低い子供がほとんどなんですよね。一方で、私立、国立の場合は右に偏ってる。点数が高い子が多いんです。


もちろん、正答率も違います。公立は45%、私立は59.7%、国立は62.6%とれているわけです。
課金されてみんな戦闘力が高いんです。




私立に限っては、発展的な勉強も授業でやりやすいわけです。



私立国立小学校は、先生が授業をやりやすい


しかも、先生からしても授業がイージーモードになり、授業効率が高まります
まず課金された生徒(私立、国立小学校の生徒)は、よく勉強し、よくしつけられているので、私語が少ない



その上、熱意を持って授業に臨んでくれるわけです。



塾講師の経験からも分かりますが、先生からすると私語をする生徒がいる授業はやりにくいです。進行も止まります。授業で後ろ向いている生徒が多いと、もちろんやりにくいです。逆にそういう生徒がいないと授業もしっかりできますし、こちらもやる気になります。

課金された生徒と激レア先生との相乗効果で、学習効率も最大化されます。

私立国立小学校の親は、圧倒的に教育投資をする


さらに教育効果は学校の先生の効果だけではありません。お友達の母ちゃん父ちゃんもチートです。まず、私立、国立小学生は莫大なお金がかかる学校に行かせてるのに、学校の進度以上の内容を扱っている塾にぶち込みます。まさに外道!!


受験という課金で、レア教師、課金された友達、親を手に入れられる


だから、受験させ課金することで、しっかりとしつけられたお友達と、より長い期間訓練された教員と、教育関心の高い親御さんがいる環境にぶち込めるわけです。

一流大学に入る確率が高いのは、私立中学校受験組

「でも、いくら幼少期の教育に課金しても、結果出なきゃしゃあないっしょ!別に小学校中学校から私立に行かせたって変わらなくない?」


という意見もあると思います。実際どうでしょうか。


教育の結果=大学受験で有名大学に入ることとしましょう。(僕はそうは思わないですが、わかりやすいので)


これは正直、全国の統計資料がないので断定はできないですが、
一部の大学に限っては課金効果を観測しました。

(ICUが一流大学といえるかはさておいて)、ICU生の出身小学校を調べたところ、私立が13%、国立が2%でした



そして私立中学校・国立中学校、公立中高一貫校への進学率は49%でした

さきほどの東京都の私立中学校進学率と比較すると、トップの文京区40%でした。
有名私大に入るためには、中学生の時(もしくはもっと前から)圧倒的に課金されているわけですね。




それでもって、学校だけのおかげで入学できたかというと、そういうわけでありません。

通塾のよる課金効果も観測されました。

以前、ICU生の通塾に関する調査を以前おこないました。
その結果、高校3年生の時に塾に行っていたかどうか質問したところ、55.1%の人が塾に行っていたと回答していました。

さらに通塾していたと答えた人の中では、34.5%の人が大手予備校に通塾していました


私立中高一貫校が4割で、高校生のときに通塾していた人が5割なのです。
一般の学校教育に頼らず、塾に課金されまくっているのです。

一流大学に入る親も、教育投資されていた


さて、そんな課金をしているICUの親御さんはどうなんでしょうか。ICU生の親学歴、職業形態を調査したデータからは、同じように学歴の高い人が多かったです。



しかも、早稲田、慶応、上智、東大など、一流大学の出身の人が多いわけです。もちろんお父さん、お母さんも課金されていないとこれらの大学に入るのは難しいですよね。



さらに、課金しているICUの親御さんの中では自営業や社長・役員などがおおく、年収が高いことも考えられます。



教育は課金しててもばれないどころか、勝手に遺伝だと思ってくれる


課金ゲーだったら、もしそのユーザーが強かったら課金してるか確認しますよね。
課金してたら、「汚ねえ、課金してるから強いのか」と思うはずです。


ところが教育は課金してても何にも言われないどころか、課金してたと知っていたとしても、無条件に地頭のせいにしたがるわけです。「○○君はもともと頭がよかったらか、東大行けたんだね」とか「お父さんが頭よいから」とか。なぜかわかりませんが、教育の成功を遺伝による地頭のせいにしたがるわけです。


本当に遺伝による地頭のよさなのでしょうか。



学力は遺伝より環境が大きいと証明した研究もある


もちろん遺伝の環境にも左右されますが、教育経済学、社会学の領域では、環境の要因のほうが大きいとされています。前にご紹介したペリー幼稚園プロジェクトでは、アフリカ系アメリカ人の貧困家庭の未就学児に、未就学の時期だけ質の高い教育プログラムを施したところ、プログラムを受けなかったグループと比べて、27才、40才の時点で年収に大きな差があったという結果が出ています。


環境要因が大きいわけです。ほかの多くの実証研究でも証明されています。


裕福な親が、貧乏の親よりも教育投資をする、たった一つの理由


裕福な家庭は教育投資をして、そうでない家庭はそこまで教育投資をしない理由なぜ、人は地頭のせいにするのでしょうか。僕自身、1000人以上の親御さんと教育相談をしてき
た中で、一つの結論があります。


裕福な人ほど課金効果を知っているので、子供の可能性を信じ、教育環境を整えますが、逆にそうでない人ほど課金効果を知らないので、できないのは遺伝のせいと現状を維持するからです。



以前、『やり抜く力』という本をご紹介しました。その本の一説には、こう書いてあります。

ニーチェはこう言っている。「我々が虚栄心や利己心によって、天才崇拝にはますます拍車がかかる。天才というのは神がかった存在だと思えば、それにくらべてひけめを感じる必要がないからだ。「あのひとは超人的だ」「というのは「張り合ってもしかたない」という意味なのだ。言い換えれば「天賦の才を持つ人」を神格化してしまったほうがラクなのだ。そうすればやすやすと現状に甘んじられていられる。

おそらく、学歴が低く、お金があっても課金しない人の心理としては、こういうことだと思います。

勉強できると子供に期待して、失敗されるよりは、教育投資を減らして「勉強ができる子は自頭がいいから。うちの子はできないから」と自分で納得したほうが、現状維持バイアスが働いて楽なのです。


一方、裕福な親が教育投資ができるのはなぜか。理由は簡単です。教育の投資効果を身をもって実感しているからです。




まず、親の年収が高いほど、子供の大学進学率が高いですし


文部科学省より引用)

さらに、親の学歴が高いほど、子供の学力が高いんです。



(出展 ベネッセ教育総合研究所 学力格差とペアレントクラシーの問題


さきほど、年収の高いエリアに高い教育期待を持っている人が多いのを確認しました。



つまり、親自身も自分が高い教育を受けて、教育に対する投資対効果をよく理解しているから、子どもにも教育投資を惜しまないわけです。


もし本当に地頭だったとしたら、裕福な人が教育投資をしなくてもよいはずです。
しかし、残念ながら教育投資が高いのは、そして教育に対して投資しようとする期待が高いのは、ほかでもなく、圧倒的に高い教育を受けてきた高所得層なのです。



教育の問題は、自分の教育経験を一般化しようとすること


高い教育を受けてきた親が経験から知っていて、そうでない人が知らないたった一つのこと。
それは子供に教育投資を惜しまなければ、いつか子供は勉強が好きになるということです。

教育投資の効果を知らない人は、サンクコスト効果が働いてしまうのです。だから「もう勉強しないしもったいないからやめる。うちの子はできないから」となってしまうのです。「やらないでしょう。こんなの。もったいない」となってしまうのです。



どうしてもこの教育格差は縮まらない。なぜでしょうか。




僕が一番問題に思っていること。それは、教育について考えるとき、多くの人はその教育は「あなたにとっての教育」、もしくは「私が知っている人の範囲での教育」の範囲でしか考えられない、もしくは考えたくないからだと思います。


どうしても親も子も、教育が似たような人で集まります。だから、自分の教育、周りの教育をすべてだと受け止めて、客観的に見る機会が少ないのです。だから、どんな子供にも可能性はあるのに、自分の経験から子供の可能性を奪ってしまうのです。このようにこの教育格差は維持されます。

受け入れたくない、子供の教育は課金ゲーだという不都合な真実

データから見てもわかると思います。教育は課金ゲーなのです。
そして、課金することの費用対効果は実際に証明されています。


そして、そんな不都合な真実を、信じないほうが、地頭のせいにしたほうが、気が楽かもしれません。

しかし、格差が縮まらないたった一つの理由は、

高所得層だけがこの課金の法則を知っていて、ルールハックしているからだと思います。

この記事を見てイラっとした人へ

僕には、子育ての経験はありませんし、しがないただの学部生です。
親御さんがどんな苦労をされて、子育てをされているかも、正直推測することしかできません。



「データだけ見て、知ったかぶりしやがって」

「教育はカネで考えるべきではない」

「そんなデータ出されても、俺は違ったぞこの青二才が」

「どうせ親の地頭がよいから、金払ってもらっただけだろ?」


そう思われている方もいらっしゃると思います。

僕はただ、教育を個人の経験だけで見るのではなく、客観的な視点で見ることは、非常に意義があるのではないかと言いたいです。


自分と、もしくはすぐ身近な人だけを根拠に教育をするのもよいですが、より再現性の高い、より子供が健やかに成長できるような、科学的根拠に基づく教育にも、意味は見いだせるかもしれません。

そして、データから見ると、課金すればするほど子供の教育効果は高まるということを知ってほしいです。どんな子供でも、才能は十分にあるはずだから、ぜひ期待してあげてほしいです。



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