保育園義務教育化(古市憲寿 )読んでみました。書評

『保育園義務教育化』を読んでみました。


古市さんの本は過去にもピースボートに関する本を読んだのですが、今回は『保育園義務教育化』という本を読んでみました。




教育全然詳しくないという人でも、とても分かりやすく少子高齢化の日本の現状、幼児教育の世界の現状について書いてあって、非常に読みやすかったです。Kindleで買えます。





要約


日本は、いま少子高齢化の問題を抱えていて、その中でも①労働力の減少と、②出生数の減少が大きな課題となっている。実はこれらの問題は、母親が働きながら子育てができる環境を整備すれば、一気に課題を解決できるのだが、日本はまるで一人っ子政策をしているかのように、子どもを産みにくいような環境を作り出している。高額な出産料、育児費用、待機児童問題、不足している育児支援の仕組み、子育てのしにくい労働環境、何かとつけて母親に対して厳しい社会の目線は、まるで一人っ子政策したい国なら、惚れ惚れしてしまうような政策である。

そこで、幼児教育を義務化することで、子どもを育てる環境を整備しやすくなり、その結果女性の労働進出がしやすくなる。さらに、教育の費用対効果が一番高いのは就学前の幼児教育であり、そこの教育を義務教育化することで、人口問題、雇用問題、格差の是正(=教育を底上げ)することができると筆者は主張する。


感想

上の要約だけだとつっこみどころがたくさんあると思うので、ぜひ実際に読んでみてください!
社会学者である、古市さんの議論は非常に面白かったです。。学力の経済学の著者である、中室先生の著書「学力の経済学」をもとに、幼児教育の議論を進めていたり、さまざまな統計資料を駆使して、時にはドキュメント分析して教育のいわゆる「主観的な解釈による問題」を丁寧に分析していました。でも何よりも自分の持論を理路整然と訴えているのが、今回の本のよさでもあるので、そこも読んでてよかったところです。
エビデンスをもとに教育を話せる人がここ最近メディアでも取り上げられるようになって、本当にうれしいと思っています。

いろいろなデータがあって面白かったんですけど、以下のは自分用にメモしておきます。今度の記事のネタにでもなればいいな。

  • 待機児童問題は20年以上も前から存在していて、短期的には解決しようと政府も乗り出していた。(待機児童0計画、エンジェルプラン等)
  • ピケティも日本の少子化をしきりに気にしていた。
  • 虐待死の8割は子供が3才のときまでに起こっている
  • ハンガリーでは2014年から、3才からの義務教育が始まり、フランスでも検討中
  • フランスでは、少子化が進行していたが、様々な育児支援の公的支出により、女性の社会進出が可能になり、出生率があがった。
  • 幼児期の環境でのちの非認知力が上がることを証明したプログラム:ペリー幼稚園プログラムとアベゼダリアン・プロジェクト(US環境)。似たようなものにマシュマロテスト、池田新介さんの夏休みの宿題と忍耐力の実験がある
  • 日本では子供の相対的貧困率が15%、先進国ではワースト5位
  • 日本人の若年層の性行為経験率が、団塊の世代、バブル世代よりも高い。また、高校生の性交渉率も増えている。だから性欲がないから少子化が進んでいるというのは、主観的な解釈による問題の一つ。



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